去る6月30日(土)、iUG研究会の第6回が開催されました。いつものようにゲストスピーカー2名をお迎えし、その後グループに分かれてグループディスカッションを行うという構成。今回のテーマは「社内ブログ/社内SNSにいる機能、いらない機能」ということで、“機能”という切り口から社内ブログ/社内SNSを考察しました。
最初のゲストスピーカーは Beat Communications の村井亮さん。村井さんからは Beat Communications がこれまでに手がけた社内SNS導入事例から、同社の社内SNSが実装されている様々な機能をご説明いただきました。
Beat Communications のSNSシステムを活用している企業は多岐に渡ります。講演ではその一部をご紹介いただきましたが、日本興亜損保の事例や早稲田塾の事例など、導入される目的・対象ユーザーも実に様々。それだけに必要とされる機能も多く、ファイル共有やスケジューリング等の機能はもちろんのこと、Wiki やソーシャルブックマーク等との融合も進んでいるとのこと。実際、ご紹介いただいた内容からは、Beat Communications のシステムは既に「SNS」という範疇を越えつつあるように感じました。
次にご登場いただいたのは、TIS の倉貫義人さん。倉貫さんはTISで社内SNSを企画・構築された方で、ご自身が手がけた社内SNSを事例として解説していただきました。独自に開発されたシステムというだけあって、TISの社内SNSは実にユニーク。例えば「人(社員)にブックマーク&タグ付けする機能」(部下から「オヤジ」なんてタグを付けられる可能性あり!?)や、ブログの記事ごとに「足跡」を把握できる機能など、独自の思想を感じさせました。
またできるだけアクセスしてもらえるように、TISの社内SNSは「ポータル」という位置付けがなされているとのこと。従ってシングルサインオンの機能に象徴されるように、他の社内システムとの連携・共存が図られています。当然のことながら、社内SNSは他のシステムが何もない状態で構築されることは少なく、多くの場合は後発のシステムとして「なぜ社内SNSなのか」「同じ機能を持つ既存システムとどちらを使えばいいのか」という利用者の悩みと直面することになります。TISの事例は、1つの解決方法として大いに参考になるのではないでしょうか。
倉貫さんのご好意により、当日使用したスライドを公開していただけることになりました。以下に掲載しますので、ぜひご覧下さい。
(また倉貫さんは ThinkIT 上でもTISの社内SNS事例を解説していらっしゃいます。ご興味のある方は、こちらの記事をご覧下さい:「Know HowからKnow Whoへ ~社内SNS構築指南」)
講演の後は、恒例のグループディスカッション。今回はテーマと同じ「社内ブログ/SNSにいる機能、いらない機能」という題で議論していただきました。
各グループから様々なご意見をいただいたのですが、倉貫さんの講演の影響か、「ポータル」を意識したアイデアが見られました。例えば他の社内システムの情報を表示する機能や、検索エンジン/RSSリーダーと融合して社内だけでなく社外の情報も集められる機能など、情報を集約する場所としての期待が高いようです。また「中間ゾーン」というタイトルで、社外の人々ともコミュニケーション/コラボレーションを図る場として活用したいというユニークな意見もありました。
また「軽さ」「遊び心」といった意見も見られました。社内ブログ/SNSはその名の通り、ブログ/SNSが母体となった敷居の低いツールですが、よりコミュニケーションを活発化させるために「Twitter風の機能を用意して参加しやすくする」「クリック1つで『面白い』『頑張れ』などの感情を表明できる機能を用意して、フィードバックを出しやすくする」などのアイデアが出されていました。また「若葉マーク表示機能」を用意して新入社員が参加しやすいようにしては、などという意見もあり、社内ブログ/SNSはより「参加しやすいシステム」になる必要があるのかもしれません。
今回は「機能」に焦点を当てるということで、少し雰囲気の違った研究会になりましたが、ご参加いただいた皆さまはどう感じられたでしょうか。iUGでは皆さまのご意見を参考に、今後も有意義な研究会を開催していきたいと考えておりますので、ぜひコメント・トラックバック等にてご意見をお寄せ下さい。もちろんご参加いただけなかった皆さまからの投稿も歓迎です!
小林啓倫(こばやし あきひと) POLAR BEAR BLOG |
最近のコメント